ご挨拶(はじめに)
東京オリンピック2020大会では、大会ビジョンとして「多様性と調和」を掲げて「ジェンダー平等推進チーム」が組まれるなど、ジェンダーに注目が集まり、これを契機にジェンダーを取り巻く様々な議論が各地で行われました。そして、あらためてダイバーシティ&インクルージョン等の取り組みが取り上げられ、日本が大きく変わるきっかけになった大会であろうと思われます。しかし、このことが一過性のブームで終わってしまっては、もったいないことです。
多様性では「ジェンダー」と「国際性」がよく挙げられます。
ジェンダーについては、 ジェンダーギャップ指数が120位という我が国の状況改善の点で話題になりましたが、ジェンダーギャップの解消が必要なのは当然のこととして、今、企業経営においても多様性(ダイバーシティ)が強く求められています。
ダイバーシティは経営学の観点からは二つあり、ひとつは、属性に関する多様性をいう「デモグラフィー型」のダイバーシティーです。もう一つはスキルや経験など「タスク型」のダイバーシティーです。
変化の激しい現代においては、経験を踏まえたダイバーシティが特に重要になってきます。ところが、ジェンダーへの理解は一向に進まず、ジェンダーに悩むマイノリティの人々だけでなく、企業経営にとってもジェンダー理解が進んでいないことは、生産性の向上という視点、コーポレートガバナンス上の視点ともに、リスクでもあり得ます。
当法人は、ジェンダーに関するキャリアコンサルティング及びその関連領域に関する研究、調査、助言指導、啓蒙活動などの普及及び向上を促進し、もって、人々がジェンダーによって差別されることなく、それぞれの特性に応じた有意義なキャリア開発を通じて、豊かな職業人生を送れることに寄与することを目的とし、様々な活動を進めていきたいと考えています。
2021.09.01.
一般社団法人GCCI
代表理事 小岩 広宣